こんな方に読んでいただきたい
〇老人介護のお仕事に興味がある!やってみたい!
〇日本で介護、看護の仕事をしていた。または、日本で現在している。
〇比較的短い期間で資格が欲しい!
〇学費にお金を使いたくないが資格が欲しい(永住権保持者)
〇オーストラリアに来る予定だが、仕事の当てがない
〇オーストラリア国内のローカルで働きたい
〇人の役に立つ仕事がしたい
Community service Care(訪問介護)の仕事では、まじめで責任感のある私達日本人は、お年寄りや障害のある方に大変喜ばれ、雇い主からも信頼されます。
オーストラリアでは、雇われる側が法律でしっかりと守られているので、介護で腰を痛めたりすることはありません。そのため、クライアントさんを一人で抱えるなど、腰に負担がかかる仕事はしてはいけません。
動けないクライアントさんのシャーワーは2人で介助をすることが決まっています。
立てないお年寄りをベッドから車いすへの移動は、機械を使ったり、家族の人にやってもらいます。
重たいものを持つことや、家具を動かすことも会社のルールで禁止されています。
オーストラリアは訴訟の多い国家でもあるので、会社側が訴えられるのを避けたいという思いもあるようです。
介護に興味があるけど、自分にできる仕事かわからない…という人の参考になればと思い、現職の私が仕事について説明します。
訪問介護の仕事に必要な資格は?
オーストラリアでは、以前【Aged care】という資格がありました。その名の通り、お年寄りのお世話をする仕事で、主に老人ホームでは働くための資格です。
当時は、訪問介護はさらにプラスで資格をとる必要がありました。今は変更になりました。
数年前から、すべて一緒になった【Individual Support】という資格に変わりました。資格や研修の詳細については、下の記事の6番目の仕事で説明しています。
永住権保持者で、オーストラリアで資格を初めて取得する場合は、政府からの補助が出るので無料でコースを受けることができます。
学校によって補助が受けられない場合もあるので、申し込み前に要確認です。
実費でコースを受ける場合は、3500ドル(約)30万くらいは必要になります。(2021年)
オーストラリアでは、この資格を持っている日本人はChild Care と並んで多いです。どちらの資格も比較的短い時間で取れ、これらの資格を取れば、仕事をずっと見つけやすくなるからです。
訪問介護の仕事内容は、日本のホームヘルパーの仕事内容とだいたい同じだと思います。ただ、介護すべてを、英語でしなければいけないという違いは大きいです。
私の知る人の多くは、老人ホームで働いています。やはり、老人の自宅に一人で訪問してお世話をするのが、すべて英語だと気が重いですよね。
英語に自信があっても、人と接するのが苦手な人は向いていないかもしれません。
家族の方々とも英語でコミュニケーションを取らなければいけないので、不安な人も多いと思いますが、この仕事は、想像ほど大変なことはありません。
訪問介護は、どのような働き方をするのか?
オーストラリアでは、基本車移動です。直行直帰で、基本的に自分名義の自宅用の車を使います。
与えられたスケジュールの通りに、各家庭を訪問し、指定されたサービス(介護)を提供します。
1日6~8時間の間に、多い時は8人のクライアントさんを訪問しますが、平均は4~5件です。移動中も給料は支払われます。
ガソリン代として1㎞当たり72セント(2022年1月現在)が会社より支払われます。
私の働く会社では、それぞれ基本的なサービスの時間が、だいたい決まっています。(介護度によって時間が長く設定されている場合もあります。)
通常の場合
- シャワー介助:30分 (入浴介助はありません)
- ベッドでの清拭:30分
- 家の掃除:1時間~2時間
- 洗濯物干し:30分
- 食事の用意:1時間
- 買い物:1時間~2時間
- 薬局で1回分パックにされた薬を飲むように勧める:15分
- 健康状態確認:15分
- 医療用ストッキングの脱着:15分
- 病院/施設の送迎:必要に応じて2時間~4時間くらい
- レスパイトケア(家族が介護から解放される時間を作るためのサービス):2時間~4時間くらい
- ソーシャルサポート:30分~5時間くらい
そのほか、会社によっては宿泊ケアを提供するサービスもあります。介護をしている家族が、1泊、2泊の外泊をする場合に、クライアント宅に宿泊してお年寄りのケアをします。
わたしは、経験したことがないので、詳しい説明はここでは割愛します。
オーストラリアで訪問介護の仕事をして、よかったこと
- お年寄りのお友達がたくさんできたこと
- 時間配分が上手くできるようになったこと
- 掃除が上手になったこと
- 料理が手早くできるようになった/新しい料理のレパートリーが増えたこと
- 買い物サポートの際に、スパーマーケットにあるものでどれが美味しいかを教えてもらえたこと
- 英語が上手くなった/新しい単語やスラングをおぼえられたこと
- 担当地域の地図に詳しくなり、車の運転が上手くなったこと
- 毎週ランチをお婆さんと外食するという仕事があり、いろいろお気に入りの店を見つけられたこと
- お庭の花や植木を時々もらえたこと
- 仕事中にお年寄りとカフェでコーヒーを飲んでおしゃべりすることができたこと
- 自分の老後を考えるきっかけになったこと
- 奇麗なお家に行った時、いろいろなインテリアをみて自分のセンスもよくなったこと
- 調理器具、清掃道具の使いやす物と使いにくいものが分かったので、買い替えの参考になったこと
- オーストラリアの文化、習慣が良く分かるようになったこと
- 同僚や上司からのストレスが全くなかったこと
- サービスの後、ほぼすべての人に感謝されたこと
書き出してみると、いいことはたくさんありました!
訪問介護の仕事をして、つらかったこと
- 定期的に通っていたお年寄りの方が亡くなったこと
- 日に日に容体が悪くなり、仲の良いお年寄りが病院や施設に入ってしまったこと
- 自分の都合でどうにもできないスケジュールや訪問時間で、八つ当たりされたこと
つらかったことは、あまりたくさんありません。
綺麗な仕事ばかりでなく、車の維持費など経費かかる割に、給料はそれほど高くありません。(最初のクライアントさんの家から最後のクライアントさんの家までの距離のガソリン代は出ます)
もう少し給料が良ければ、感謝され社会に貢献できる、とても良い仕事なのですけどね….
仕事内容
シャワー介助
基本は30分ですが、車いすの方や、体が上手く動かせない方などは、1時間を割り当てられていることもあります。
オーストラリアの基本的なお家にはシャーワーと浴槽は別になっていて、シャワーだけが独立したガラス張りの箱型になっています。
この中にシャワーチェアーをおいて、座ってシャワーします。
シャワーサポートは、大体3パターンに分かれます
シャワー見守り
バスルームでの転倒を危惧して、介助をつけている方です。シャワーまで、一緒に行きますが、シャワーの外で見守るだけで、脱衣からすべて自分でされます。
人によっては背中とひざ下だけを洗ってあげる場合もあります。時間が決まっているため、服を着るときは少しサポートして時間内の収めるようにします。
一部介助(衣類の着脱のサポート、シャンプー、背中、ひざ下のみを洗う)
腕が痛くてあげられない人や、腰が曲げられない人には必要なサポートです。
全介助(衣類の着脱、全身洗い、髭剃り、タオルドライ)
車いすの方や、自分で身体をうまく動かせない人。9割以上のかたは、プライベートの部分は自分で洗います。
全く自分で動けないクライアントさんは、ホイストという機械で持ち上げて、シャワーの椅子まで運びます。このサービスは必ず2人の介護師で行います。
ベッドでの清拭
Bed Bathといわれます。バケツにお湯とソープを入れ、濡れタオルで全身拭き、着替えをしてあげます。Bed bath は基本一人で行います。
ただし、体位変換が自分でできない方は、介護師が2人訪問して行います。
家の掃除
時間は家の広さにもよります。訪問するお宅は、ベットルームからビーチの見える豪邸から、ごみ屋敷まであります。
豪邸は、もともと奇麗なのですが、一通り掃除します。
ゴミ屋敷(生ごみではない)は、とにかくものが多く、ため込んだものが所せましとあちらこちらに散らばっています。
その隙間を可能な範囲で掃除します。この時間内に、洗濯物を干したり、ベットメイキングをしたりすることもあります。
洗濯物干し
洗濯物干しに30分も必要ないので、終わった後は、簡単なほかのお手伝いをしたり、座っておしゃべりしたりします。
食事の用意
昼食か、夕食の用意です。メニューはもう決めてくれているので、言われた通りのレシピで調理するだけです。
買い物
自分の車を使ってショッピングセンターに行き、買い物リストを見ながら、一緒に買い物します。
必要に応じて、銀行や薬局にも連れて行ってあげます。クライアントさんの希望であれば、カフェやご本人の自宅でコーヒーを一緒に飲んだり、スイーツを食べたりすることもあります。
基本的に$10ドル以下であれば、コーヒーなど支払いを申し出てくれたクライアントさんに払ってもらうこともあります。
薬局で1回分にパックにされた薬を飲むように勧める
個人の処方に合わせて、薬局で作られたブリスターパックというものがあります。日本では一包化と呼ばれています。
この1回分の薬をパックから取り出してクライアントさんに渡します。普通の錠剤が入っているシートの大きいバージョンで、同じように表から押し出すか、裏から穴を開けて取り出します。
意外と硬くて出しにくいので、関節炎などを持つお年寄りには、難しいです。クライアントさんが完全に飲み込むのを側で見届けます。
健康状態確認
15分という短い時間ですが、一人暮らしのお年寄りの生存確認の意味も込めて訪問し、健康状態に大きな変化がないか確認します。
医療用ストッキングの着脱
足のむくみがひどい人に、朝起きてすぐまたは、シャワーの後、医療用のストッキングをはかせることと、夕方にストッキングを脱がせる仕事です。
病院/施設の送迎:必要に応じて2時間~4時間くらい
透析、抗がん剤治療など、定期的に通う病院での処置やリハビリのための施設への送迎です。
点滴、リハビリや抗がん剤治療、処置が1時間程度なら、その場で待つようにスケジュールが組まれています。
しかし、透析(4時間)のように長時間病院に滞在する場合は、迎えの時間までに別のクライアント宅を訪問するようにあらかじめスケジュールされています。
レスパイトケア(家族が介護から解放される時間を作るためのサービス)/ソーシャルサポート(孤独なお年寄りの話相手になるサービス)
レスパイトケアは、同居して介護をされている家族が出かけれるように、自宅に滞在してクライアントのお世話をします。
認知症のお年寄りの場合は、誰かがついていないと危険です。家族は安心して出かけれるように、身体はしっかりしていて身体サポートは必要ないですが、私たちが一緒に留守番をします。
たいていのお年寄りは、お茶を飲んでおしゃべりした後、ベットに入って眠ることが多いので、そのあとは、簡単に家のお掃除などします。
ソーシャルサポートは、お年寄りの希望にあわせて、外食したり図書館に行ったり、近所を散歩したりします。
これらの仕事は、時間内に何かをしなければいけないというプレッシャーはないので、お年寄りの希望にあわせて、快適な時間をつくりながら、自分のペースでできるので、私の一番好な仕事です。
最後に
訪問介護はやりがいのある仕事で、自分の人生にプラスになることがたくさんあります。英語は完ぺきではなくても大丈夫です。相手を思いやる優しさと丁寧な対応があれば、英語力はカバーできます。
仕事していて、私の実際の驚いた経験は【意外と知らない現地の習慣と日常(訪問介護師として働いた経験から)】でお伝えします。
向き不向きがありますが、興味のある方は勇気をもって、この世界に踏み込んでみてください!!
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