オーストラリアで病院にかかるときに知っておくべきこと~留学中の保険/システムの違い!!など

オーストラリア生活

外国で自分自身や子どもが、けがをしたり病気になったときは?保険はどうなる?

留学中に病気になったり、けがをした時は不安ですよね。英語が通じなければなおさらです。システムの違い知っておけば、いざというときに慌てないで済みます。

現地情報を、実際の経験を含めてここで紹介します。

スポンサーリンク

オーストラリアの医療システム

わかりやすいように、私の経験からチャートをつくってみました。

オーストラリアの医療制度は、日本と大きく異なっています。日本ではまず、熱がでた、目が腫れている、耳が痛い、などの症状がでた場合は小児科/内科、眼科、耳鼻科などそれぞれの症状に合った診療科を受診しますね。

しかし、オーストラリアではこのような症状が出た場合でも、すべてGP (General Practitioner)という総合診察医にかかります。必ず予約が必要ですので、受診前に最寄りのクリニックに電話やサイトから予約を入れてください。

一般的な診察の流れ

1.GPが『専門医の受診が必要』と判断すれば、紹介状をもらい、別の日に改めて専門医に予約を入れることになります。専門医は緊急以外は、自分で予約しなければなりません。

2.血液検査などが必要な時は、検査依頼を持って、隣や向いの建物にあるPathologyという検査機関に行きます。大きなクリック施設内では同じ建物内に検査機関はあります。

Pathology:血液検査、検便、検尿など

血液検査は予約なしで採血してもらえます。しかし、【空腹時】と指示がある場合は、8時間以上の絶食が必要になるので日を改める必要があります。

3.レントゲンやエコーなどは、 Radiology という検査機関に、予約をいれてから後日、検査してもらいます。緊急時は当日に受けられます。

Radiology:エコー、レントゲン、CT 、MRI など

4.薬が処方されると、処方箋をもって薬局に行き、薬を購入します。

Chemist:処方箋薬、一般薬、その他ガーゼ、サポーターなど

日本のように調剤専門の薬局はあまり多くなく、大きな薬局チェーン店に一角の処方箋受付に持っていく場合が多いです。調剤される薬は、まったく同じ薬ででも、薬局によって値段がちがいます。処方箋に書いてあっても処方箋なしで購入できる薬の場合もあります。継続して飲む薬は、同じ処方を3回までリピートできるので、GPに行かなくても同じ処方箋で調剤してもらえますし、処方箋の期限は1年とかなり長い設定になっています。

5. 帰宅

すべての検査結果は、その日診察してもらったDrのところに後日届きます。GP(同じクリニックであれば、ほかのDrでもOK)に予約を入れて、結果を聞きに行きます。

日本では、けがをして骨折疑いであれば、整形外科の診察中にレントゲンを撮ってすぐに結果を知らせてくれますよね。

オーストラリアのRadiology では、骨折かどうかのレントゲン結果さえ、その場ですぐには教えてくれません。レントゲン撮影後、専門のDrがレポートを書いてGPに連絡します。結果を急ぐ場合は帰宅後Drから電話連絡があります。

緊急外来を受診する場合

1.GPが開いていない週末や夜間にやむを得ず診察してもらう場合は自分で直接大きなHospital に救急外来(Emergency)に直接行きます。生命にかかわる事故、疾患などは救急車を呼んでください。

2.看護師の問診があり緊急性があるか判断されます。簡単な血圧測定や酸素濃度測定はあります。

3.緊急性がないと判断された場合は、数時間待たされます。いつも急患でたくさんの人が、集まってきているので込み合っています。緊急性が(激しい痛みなど)ない場合は翌日の朝、週末の場合は週明けまで待ってGPを受診することをお勧めします。

4. 順番が来て中に案内されると、たくさんのベッドがならんている大きな部屋に通されます。そこでまた、横になりながらしばらく待ちます。その後、Dr診察があり、必要であればそのままその場で採血をしてくれます。血液検査結果は1時間ほどで出ます。他のレントゲン検査など緊急で受ける場合もあります。その結果で処置を受け、帰宅または、入院という流れになります。帰宅時に、処方箋がでれば、薬局に買いに行きます。

実際に、娘が緊急外来でそのまま入院したことがあります。命の危険はなかったため、緊急外来到着してから、入院が決まるまで5~6時間かかりました。

海外旅行保険は必要?

学生ビザの申請には OSHC(Overseas Student Health Cover という学生用の強制保険に入る必要があります。通常の治療などは全額カバーされるようですが、一部差額を負担する場合もあります。

薬局で、50ドルを超える薬は自己負担、また、1年で150ドル(ファミリー300ドル)を超える場合は差額の補償はありません。

以下、OSHCを取り扱っている保険会社です。

保険会社サイト
ahm OSHCwww.ahmoshc.com
Allianz Care Australia (Peoplecare)www.allianzcare.com.au/en/student-visa-oshc.html
BUPA Australiawww.bupa.com.au/health-insurance/oshc
CBHS International Healthwww.cbhsinternationalhealth.com.au/overseas-students-oshc
Medibank Privatewww.medibank.com.au
NIB OSHCwww.nib.com.au

親が学生の場合は、子どもは扶養家族としてOVHC(Overseas Visitors Health Cover ) にファミリープランで入ることができますが、強制ではありません。

扶養家族が1人増えただけでかなりの増額になります。

参考までにAllianz Care Australiaでは単身1年で529ドル、ファミリーでは、扶養家族が1人でも3人でも3142ドルでした。

単身とファミリーの差は大きいです。

保険は医療保険のみのカバーで、救急車もカバーされますが、事故などの緊急のみで、通常の病気の場合は有料なるようですので気を付けてください。携行品は対象外です。

家族全員が日本から海外旅行保険に入る場合は、OVHCファミリープランには入る必要はないと思います。

子どもが学生ビザの場合は、子どもがOSHC(Overseas Student Health Cover)に強制加入、ガーディアンスビザの親はOVHC(Overseas Visitors Health Cover)の加入がビザ申請時に必要です。

OSCHかOVHCに入っていれば、通常の病気、けがの時のお金の心配はないとは思います。

英語に不安がある場合や、小さい子どもがいるときは、海外旅行保険はお勧めです。

ただ、住んでいる場所によっては、距離がありすぎて通訳のいる病院にすぐに行けない場合もあります。その場合はあまりメリットはないかもしれません。

今回のパンデミック以降はいろいろな点で変更があるかもしれないので、渡航前にコロナに感染したときの保険の対象なのかは、ぜひ確認しておきたい点です。

当時、私はOSHCに家族で入れるという情報を入手できませんでした。そのため、私学生本人のOSHCと日本から娘を含めた3人分の1年の海外旅行保険とダブルで入っていきました。これは物価の安い当時でも、30万くらいだったのを記憶しています。

海外旅行保険は、娘がインフルエンザに罹ったの時と、ベッドから転落した時に、救急にかかりましたが、薬も救急車もすべてカバーされ後で返金がありました。

海外旅行保険では、シティにある提携病院に行けば、日本語通訳のいる一時自己負担なく無料で診察してもらえます。

歯科は補償の対象外 

OVHCではプランによって歯科治療を対象にできますが、OSHCでは歯科治療はカバーされません。

虫歯で歯が痛む場合は、歯科に行って治療してもらうしかありません。少なくとも1回の診察で200~300ドル以上はかかることは覚悟しておいた方がいいです。

ちなみに歯のかぶせ物が外れて、中を掃除し、そのままとれた金属を付けなおしただけで、350ドルかかりました。

歯科治療は、子ども共々、日本で済ませるようにしてください。

発熱した時は?

GPでは日本の病院と違い、発熱くらいでは何もしてくれない印象があります。抗生物質を処方されるDrは少ないです。薬に頼らず自己免疫で治しましょう、というスタンスのようです。

オーストラリアではパナドールという解熱鎮痛剤が一番良く耳にするお薬です。

日本のカロナール錠と全く同じ成分で、薬局以外にスーパーマーケットでも簡単に手に入ります。パナドールは日本のカロナールと1錠に含まれる成分の量が、違うので注意が必要です。

小児用に液体パナドールもありますので薬局などで相談してみてください。オーストラリアでは、風邪や発熱などの際は、カロナールを飲んで自宅でゆっくり休む人が多いです。

その次ぎによく聞く解熱鎮痛剤は、ニューロフェンというお薬です。これも 日本のイブなどに含まれるイブプロフェンと同じです。

受診したい場合は、GPに電話またはネットで予約を入れてから、行きましょう。飛び込みではほとんど診てくれません。一旦予約を入れるとクリニックによっては、キャンセルしたい場合、当日キャンセル料を取るところもあるので、予約の際には確認したほうがいいです。

参考 

☆日本:カロナール錠 1錠200㎎又は300㎎…..(カロナール500㎎は劇薬になるので小児に処方されることは通常はありません)大人 1回300㎎2錠 

☆オーストラリア:パナドール錠 1錠500㎎ 大人1回500㎎1~2錠

クリニックや病院外来でびっくりしたこと

ほとんどのお医者さんは、白衣を着ていません。

クリニック内では、お医者さんの区別がつきにくいです。待合で待っていると先生自ら部屋を出て、わざわざ呼びに来てくれます。

個室に入っても看護婦さんなどは同席していないので、診察からすべてのことをお医者さんが1人でやってくれます。日本の開業医だと、横に看護婦さんがいて、あれこれ雑用はやってくれますよね。これは、ちょっとなれるまでに時間がかかりました。

オーストラリア留学中に子どもに起こったトラブル(けが編)

娘が3歳の時、夜中にベッドから落ちました。高さのあるベットだったので、激しく泣きましたが、すぐに寝てしまったので大丈夫と思って寝ました。

朝になるとあおむけで首を45度に傾けて、かたまった状態で目は開いているのに起き上がろうとしません。起こそうとすると痛がって泣くため、トイレにも行けないまま1時間くらいすぎました。

首が痛いとしか言わず、身動き一つしません、心配なって、保険会社と相談し、救急車を呼ぶことに。到着して物々しい雰囲気の中、救急隊の方に両手をゆっくりと引っ張ってもらうと、普通に起き上がれました(汗)

「せっかく来たし、一応病院まで連れて行ってあげるね」と言われ、救急車に乗り込み私が娘を抱いて、シートベルトをして移送してもらいました。病院に到着してすぐにベッドに連れて行ってもらいましたが、そこからが長かったです。

大したことがないという事情は、救急隊の方が説明してくださっていたので、看護師が見に来るまで3時間以上待ったと思います。レントゲンの結果は特に異常はなかったので、即帰宅しました。

治療費はレントゲンなど含めて160ドル 救急車は後で請求が来ましたが7万、8万円くらいだったと記憶しています。

オーストラリア留学中に子どもに起こったトラブル(病気編)

3歳の娘が発熱し、数日パナドールで様子を見ていました。

しかし、熱が一向に下がらず、幻覚を見るようになり、普段かわいがっていたお人形を「怖い、怖い」と言って泣き始めました。

そんなことは初めてだったので、あわてて保険会社と提携しているブリスベンシティの病院に電話で予約をいれ連れて行きました。電話で通訳がいるかきかれたので必要と答えておきました。

病院に到着したときのは、通訳の方も来ていました。とりあえずインフルエンザの検査を受けて、待機。レントゲンを撮るように言われましたが、先日首のレントゲンをとったばかりで被爆が気になったので、断りました(笑)

検査の結果、インフルエンザと診断。日本では普通に、タミフルが処方されていた時期だったのですが、インフルエンザの薬はないからと、カロナールで様子を見るように言われました。

すべて、保険でカバーされたので、当日の支払いは何もありませんでした。

1週間発熱が続きましたが、何とか娘の免疫力でトラブルもなく治ってくれました。

まとめ

外国で病気やけがをすると心配になりますが、保険がありますのでそれほど心配することはありません。

ただ、コロナに関してはまだ、未知の世界のため、オーストラリアできちんとした医療を受けることができるのか、予防接種が必要かなどは、ご自分の責任で確認してください。

日本と医療システムが違うので戸惑いますが、お医者さんは白衣も来ていないし、相談しやすいので、日本よりは敷居が低い感じがします。念のために、病状を説明できる単語や文章は、出発前に勉強しておきましょう。

タイトルとURLをコピーしました