お店で買うものが当たり前だと思っていた塩。
この当たり前をなくすべく、自給自足の生活に近づけるための第一歩を踏み出してました。
今回は、オーストラリアで様々な活動、アクティビティを企画されている月森獎氏の「海塩つくりのワークショップ」に参加してきました。
このブログを読むと以下のことがわかります。
・海水の成分
・かんすいと比重について
・塩の作り方
・にがりについて
・マグネシウム効果について
・ワークショップの詳細(場所:サンシャインコースト)
海水について
海水をなめるとかなり塩からいので、塩がたくさん含まれていると思われますが、実際には海水全体の約3%程度で、海水の約97%は水です。
水以外の海水中に含まれる物質のうち、78%は塩(塩化ナトリウム)ですが、それ以外にも含まれる物質があります。
含まれる量の1から多い順番です。
- 塩化ナトリウム(NaCl)
- 硫酸カルシウム(CaSO4石膏)
- 塩化マグネシウム(MgCl2)
- 硫酸マグネシウム(MgSO4)
- 塩化カリウム(KCl)
塩化マグネシウム・硫酸マグネシウム・塩化カリウムなどをまとめてにがり(苦汁)と言っています。(カルシウム、鉄、 亜鉛などからだの機能維持に不可欠なミネラルもにがりには含まれています。)
にがりは豆腐を作るときに凝固剤として使われるので有名です。
海水を煮詰めると、(含有量に比例せず)以下の順番に結晶化し始めます。
- 硫酸カルシウム(石膏,CaSO4)
- 塩化ナトリウム(NaCl)
- 硫酸マグネシウム(MgSO4)
- 塩化マグネシウム(MgCl2)
- 塩化カリウム(KCl)
一番最初に石膏ができますが、食べられないので取り除く必要があります。
最後まで液体のまま残るのが、にがりです。
かんすいと比重について
海水を濃縮して塩類(とくに食塩濃度)がかなり高くなっている溶液を、鹹水(かんすい)と言います。
これはワークショップ内で、真水、海水、鹹水(かんすい)の比重の違いを、説明してくれています。
比重が大きい物質は沈み、小さい物質は浮きます。
かんすい(鹹水)は塩分濃度が高いので、比重は水よりも大きくなります。
液体の比重が大きくなるほど、物は浮かびやすくなります。
塩分濃度が高い水といえば、死海が有名ですね。
普通の海水が塩分濃度約3%程度ですが、この有名な死海の塩分濃度は約30%で、約10倍の濃さになります。
塩分濃度が高く、比重、浮力ともが普通の海水より大きいため、人が沈むのは困難です。
人がぷかぷかと浮かんでいる写真が有名ですね。
塩をつくる
海水を汲む
海塩を作るためには、きれいな海水が必要です。
ここオーストラリアでは、恵まれた環境にあり、周りに美しい海がたくさんあります。
水も澄んでいてとてもきれいなので、塩つくりには最適な場所だと思います。
早速、近くの海まで海水を汲みに行きました。その日は風も強く、波も結構ありました。
バケツに海水を汲むのは、バケツにたくさん入れても重すぎて持ち上げられない、せっかっく汲んだのに、大きな波に襲われて、バケツがひっくり返ってしまうなどして、思ったより苦戦しました。
ろ過する
持ち帰った海水はまず、フィルターを通してゴミなどを取り除きます。
海水をそのまま使用して塩を作る
まず塩化ナトリウム以外の成分(にがり、石膏)をのこしたままの塩を、味比べのために先に作りました。
後で、通常の工程の作りの工程もお伝えします。
こらは、汲んできた海水を、フィルターを通してそのまま煮込むだけです。
フィルターを通したの海水を平たい鉄鍋にを入れ、こげないようにくるくるとかき混ぜていると、結晶がでてきました。
塩を味見してみましたが、市販のものよりはまろやかでおいしいかったです。
後ほど、にがりを取り除いた塩と味を比べてみます。
海水に対して、かなり少ない量のお塩しか、取れないのを実感できました。
かんすいから塩をつくる
本来は自然エネルギーの太陽を使って塩を作るのが理想です。
しかし、今回は1DAYワークショップのため時短の塩つくりとなりました。
1か月くらい前にあらかじめくみ上げてあった海水で、すでに水分をある程度蒸発させてある「かんすい(鹹水)」を、使用させてもらいました。
海水の量はすでに3分の一の量になっていたようです。
硫酸マグネシウム(MgSO4石膏)が、すでに結晶化して析出しているので、ろ過して取り除きます。
この段階では、まだにがりが入っていて、この上澄みは普通の海水より濃縮されているので、かなり苦い味になっていました。
煮込む
土鍋に入れて煮込みます。
にがりを取り除く
煮詰まってきたら、にがり成分を取り除くために再びろ過します。
ろ過して下から出てきた液体がにがり、上にたまったものが塩(塩化ナトリウム)になります。
にがりを取り除かないと、さらっとした塩にならず、いつまでもべたべたした塩になります。
にがりは後で、足湯に使うのでおいておきます。
再び過熱
ろ過してできたものを、今度は平たい鉄のフライパンに移して、完全に水分がなくなるまで煮詰めます。
完成
海水の塩分濃度は3パーセント程度なので、計算上は1Lの海水から約30gの塩ができることになります。
味の感想
海塩は塩化ナトリウムと少量のマグネシウムやカリウム、カルシウムなどのミネラル成分で構成されているためまろやかな味です。
甘み・旨味・苦味などのバランスが整っていますので、食べやすい塩だと思います。
最初に作った海水から、にがり成分などを取り除かずに作った塩と味を比べてみました。
にがりを含んでいるので、単独でなめた時には感じることができなかったのですが、比べてみると苦みが、やはりすこしきつく感じました。
どちらにしても、市販の比べると、まろやかなおいしいお塩でした。
足湯
今回は、ワークショップでできたにがりと、庭で育てているヨモギをうかべた浴槽で、足湯をさせていただきました。
にがり主成分のマグネシウムは、食べるより経皮吸収の方がよいともいわれているので、足からたっぷりとマグネシウムを吸収することができました。
現代人は、食生活の変化によってマグネシウムの摂取量が大きく不足しているといわれています。さらにアルコールやストレスでマグネシウムが排出されるのも不足の原因のようです。
マグネシウムは、300種類の酵素を活性化し、神経に情報を伝達させたり、筋肉を動かすことに関与している必要不可欠な栄養素です。
天然の保湿成分ともいわれるマグネシウムは、肌のハリ・ツヤを与え、シワを改善したり、肌にうるおいを与えるなどの効果が考えられます。
また、マグネシウムはリラックス効果があり、過度な筋肉の収縮を防いで、肩こりの解消に役立つとも言われています。
つるつるお肌で、疲れも取れ一石二鳥です。
今回のワークショップについて
このワークショップは、ブリスベンから北に1時間半ほど上がったところにある、海のきれいなサンシャインコーストで行われました。
こちらを運営している月森獎さんは、発酵、ガーデニング、癒し、ワークショップなど書ききれない様々な活動をされています。
今回は、シェフでもある月森氏の発酵ランチと手づくりジンジャービールもいただきました。
おなかにも、体にも、心にも優しいワークショップでした。
↓こちらでは、200種類以上の様々なアクティビティが体験できます。
「サンシャインコーストのディッキービーチで健康を取り戻す『健康のリセットプログラム』を体験できるリトリートを開催しております。ここで体験できるアクティビティは200以上!ココロが喜ぶ、本当の自分に出会える時間をお楽しみください。
そして先人が築いてきた日本の素晴らしい文化をここオーストラリアでも共有できればと、日本文化の体験、地域社会への貢献、地域の安全・食の安全をテーマに日本文化の継承を行っています。」(サイトより抜粋)
特に、スピリチュアル、健康や体に良い食事などの興味がある方は必見です!
ぜひWebサイトを、のぞいてみてください。
まとめ
塩を自分で作る日が来るなんで、思ってもみませんでした。
海水汲みや、運搬が大変で、コンロなどを使わなければ、かなり時間がかかるのが難点ですが、塩って自分で作れるんだと実感できました。
にがりを使っての足湯も最高でした。機会があればにがりでお豆腐つくりも挑戦したいです。
きれいな海水が手に入れば、塩つくりに挑戦してみてはいかがですか?