海外で働くのは、どのくらい英語が必要?
まず一番気になるのが言葉の問題ですね。私も実際ボランティアは、お気軽に始められましたが、お金をいただいて仕事をするとなると、大変躊躇した経験があります。
まず言えるのは、度胸とやる気があればなんとかなります。英語力は後からついてきます。
私が経験したオーストラリアでの仕事について書いてみました。
リサイクルショップで働く
まず、オーストラリアに来て初めてした仕事は、リサイクルショップのお手伝いのボランティアです。
オーストラリアには、寄付で集めたものを販売するリサイクルショップ(こちらではセカンドハンドショップと言います)が、あちらこちらにたくさんあります。
有名なのはOpShop,Salvos Stores,Lifeline, Vinnies などです。このお店は、寄付された衣類、家具、おもちゃなど、いろいろなものを独自に値段をつけて販売しています。
働いている人はほとんどがボラティアの人達です。オーストラリア人のおばさんが多いように感じました。
私が働いたところでは80歳のおばあさんが、社会の役に立ちたいと、毎日店に来て商品の陳列を楽しそうにしていました。
私がボランティアを申し出た時、店長さんは喜んで受け入れてくれました。仕事は簡単で、店に直接寄付をされた中古品を種類ごとに棚に陳列するだけです。色分けで食器などをディスプレイするのは、楽しかったです。
長くボランティアをしている人は、店の裏で品定めと、値付けをしていました。そこで売り物にならないものはゴミ箱行きになります。値付けの人たちは自分個人の価値観で値段を決めるので、買い手がつかなさそうな物が高かったり、高価なものが安かったりと、いい加減な売値になっていました。
奥で楽しそうに値付けをしながら、よさそうなものはしっかり自分用にキープして、適当に値段をつけて購入していたんじゃないかと想像していました。ボランティアの特権ですよね。
陳列担当の私も、ティスプレイしながら、欲しい物があればあれば、キープして半額で購入できました。中古と言っても新品や未使用の物も結構ありました。
英語が思うように話せない私は、休憩時間が一番苦でした。裏の部屋でコーヒーや紅茶を入れて飲んで休憩するのですが、緊張のあまり何もしゃべることができず、黙ったままでした。周りも特に話しかけてくることもなく孤独でした。
日本にいるときは自分で英語は喋れる方だと思っていましたが、完全にアウェイでいきなりオーストラリア人の中に飛び込んで、話ができる度胸も英語力も、その時はありませんでした。
お金をもらうわけではないので、仕事自体はストレスフリーで楽しかったので、高齢になればまたやってみたいと思っています。
タックショップで働く
オーストラリアでは、小学校、中(高等)学校には、タックショップという、売店のようなお店が必ずあります。そこでは、アイススクリーム、ポテトチップス、クッキー、ソフトドリンクなど体に悪そうなものがたくさん売られています。その店の中で、簡単なランチを職員が作ります。私は、冷凍のピザをオーブンで温めたり、サンドイッチやラップなどを作り、販売するボランティアをしていました。
英語力はそれほど必要ないですが、子どもが相手だと容赦なしに英語で話しかけてきます。リスニング力がもちろんあればいいのですが、よくわからなくても指差しで何とかなります。
タックショップでは、毎日平均5人くらいの人が働き、半分の2~3人はボランティアでした。学校で雇われると給料は平均のレストラン勤務より高かったので、空きが出た時に雇ってもらえるよう、にしばらくボランティアで我慢してるという人が多かったです。
私は、単に自分の娘が通う高校で、娘の学校生活をこっそり覗きたくて始めた仕事です。娘がランチのフォークを忘れた時などは、たまにこっそり取りに来ていました。
子どもたちがランチ休憩に入る前に、私達ボランティアの人もタックショップ職員の人と一緒に、店の中の物を昼食として食べることができました。
勤務時間がランチの時間前後なので、こどもが学校に行っている間だけ働けることと、夏休みなどはこどもとずっと過ごせることができるので、子どものいるお母さんには、人気の職業です。
寿司チェーン店で働く
さてその後、英語にも少し自信がつき、収入を得る仕事をしたいと思い始めました。
オーストラリアでは経験や資格が重視されるので、私にはオーストラリアで働いた経験がないため、ローカルのお店で働のは難しいと思い、日本人経営の寿司レストランに面接に行きました。お寿司が頻繁に食べられるのも魅力に感じたからです。
面接は日本語だったので、敷居は低かったし、あまり緊張もしなかった記憶があります。キッチンハンドかウエイトレスのどちらがいいか聞かれましたが、どちらでも良いと返事したら、ホールのウエイトレスの方で採用になりました。半年以上同じ店で働けないワーホリの日本人も多かったので、永住権の日本人は喜んでもらえたようです。
キッチンで働く場合はほとんど英語を使わないので、英語力は必要ありませんが、お店にいる他国籍の従業員とは英語でコミュニケーションをとる必要があります。
お店のお客さんがほぼオーストラリア人なので、ウエイトレスは英語力が必要になりますが、ある程度決まった英語が多いので慣れてしまえば大丈夫だと思います。この時に生きた英語が身に付いたと思います。ウエイトレスはオーダーを取って、臨機応変に対応したり、店の中を走り回るので、頭と体力が必要だと思いました。
不平、不満を言うお客さんは、必ずどこにでもいるので、その対応には精神的大変でしたが、どの職場でも多かれ少なかれあるストレスだ思います。
こちらでは、食べ物に関して要望が日本より細かくて多いと思いました。グルテンフリーやベジタリアン、アレルギーを含め好き嫌いも多いため、キュウリをアボカドに変更して!や、海苔が嫌いなので海苔なし寿司を巻いて!などなど。
実際にキッチンの人がつくるので、大変なのはキッチンですが、細かい要望をキッチンに正確に伝える、伝言ゲームのようになるので、時にはうまくお客さんの要望が伝わらないでトラブルになったり、キッチンからも、お客さんからも文句を言われるという、板挟み状態になることもありました。個人的要望に丁寧に対応するのは大変でした。
イチゴファームで働く
オーガニックのイチゴ農家でイチゴを摘む仕事(strawberry picking)をしました。
大きな農家では椅子に座って屋根付きのトレーでイチゴを摘むところもありますが、私が働いたのは小さなオーガニック農家だったので、しゃがんで腰を曲げての作業でした。
6月から11月までがシーズンで、オーストラリアの冬に当たる時期ですので、早朝6時はかなり寒かったです。次第に日が昇り暑くなり、冬とはいえ日差しがきつくなるので、私の働くファームでは10時までにはその日の収穫は終了しました。
3-4時間に仕事ですが体力的にはかなりきつい仕事でした。無農薬のイチゴがたくさんもらえたのは魅力的でした。英語はほとんどしゃべらなくてよい仕事です。いわれたことさえ理解できれば、無言で無心で働くだけですの、孤独かもしれません。
ワーホリビザのセカンドを取るためにはファームで働く必要があるので、2年目を考えている人は是非早い時期にファームへ行かれることをお勧めします。
日本からの留学生サポートの仕事をする
この仕事は、一番楽しそうに聞こえますが、私には合いませんでした。
日本の高校から3か月間、オーストラリアの高校に留学してきた子どものサポート、ホストファミリーと連絡を取り合うのが仕事です。決まった仕事は数回しかなく、給料もフルタイムで働いたら1週間で稼げる金額でしたのでおこずかい程度にしかなりません。
拘束時間は短いのですが、レポート書いたり、病気、ホームシックなどの対応も、必要に応じて出てきます。オーストラリアのサポート会社と学校の留学担当者、日本の旅行会社との間のコミュニケーションがうまくとれていず、ホストファミリーと会社と学校の間に挟まれて、いろいろ厄介なこともありました。
メールで英語のやりとりなどもあります。通訳的な立場に立たされることもあるので、英語力はある程度必要だと思います。
3か月間無事に担当の子どもが留学を終えるまで、わが子以上に心配しすぎてなかなか心が休まらなかったです。
訪問介護の仕事をする
この仕事をするには、【Individual Support】という資格が必要です。この資格があれば、老人ホームで働くことも可能です。
3か月のコースで取ることができますが、英語のレポートが大変で、毎日深夜まで勉強しました。最後に120時間の研修があるので、実際に収入を得るまでには、少し時間がかかりました。
この仕事に英会話は必須ですが、完ぺきな英語でなくてもそれほど問題でもありません。逆にお年寄り発音を直してもらうことで笑い話になったり、日本のことに興味を示してくれる人が多いので、正しい英語より、理解してもらえる英語が話せれば大丈夫です。
実際の現場より、資格を取るまでのレポートが多いのでライティング力が必要になります。しかし、テストではないので何度も書き直しして提出できるので、やる気さえあれば資格は取れます。
実際に一人でお年寄りのお宅を訪問を始める前に、3日間だけ研修(給料あり)で他の訪問介護士と一緒に訪問してやり方を学ぶ機会があります。たったの3日で、4日目からはいきなり一人でオーストラリア人宅を訪問します。
すべて英語でのコミュニケーションですので、かなり緊張しましたが、資格をとるコースの勉強で英語力もかなりアップしていたので、何とかなりました。ほとんどのお年寄りは優しくいい人なので、理解できないことは説明してくれます。この仕事は、相手を思いやる気持ちのほうが重要です。
私は、コース中の120時間の研修を今働いている訪問介護の会社で受けました。そのため、実際は4週間ほど先輩と同行して働いていたため、実際に仕事を始めるころにはかなり自信はついていました。どの会社に就職するかを念頭において、研修をする方がスムーズに仕事が始められると思います。
まとめ
オーストラリアに移住して様々な仕事をしましたが、やはり日本での経験や個人の適性があるので、どの仕事がよいとは、一概に言えません。どれだけ同僚や、上司に恵まれるかにも左右されると感じました。
冒頭にお伝えしましたが、英語力は後からついてきますので、まずは何かを始めること、行動することがが大切です。英語力がつくまで待っていたら、いつまでも働けません。
ジャパニースレストランやファームではそれほど英語力は求められませんので、最初の仕事として始めやすいです。
しかし、なんとなく働くだけで、努力なしで英語力は伸びません。苦労して困って、現場で学んで初めて自分の物になります。結局、言えることは、英語力はあるに越したことはありません。
快適な職場環境と自分に合った職業を見つけたいなら、仕事しながら会話スキルを上げ スッテップアップするのが一番に近道だと思います。
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